|
蝉の空蝉(うつせみ)
最近暑いね〜。 でさ、暑いと感じる理由の一つに、セミの鳴き声があると思うわけよ。 ミンミンやらツクツクホウシやらジージーやら、うるさい事この上なし。 ま、だから夏だって感じもするんだけどさ。 それはさておき。 セミってのは、成虫になってからだいたい一週間ぐらいで死んでしまう。 それゆえに、巷ではウズバカゲロウ等と並んで 「儚い一生の虫」と評価されることが多い。 だが、ちょっと待て。 こいつらはすでに七年間も地下で生きていやがるんだぜ? 七年間。 昆虫としてはめちゃくちゃに長生きする方だ。 下手したら、哺乳類のネズミよりも長生きしてるかもしれない。 しかし、その地下での長期生活という事実も有名なのに、何故「儚い」と思われがちなのか? それは恐らく、一般の人が「地下でジッと耐えた後、やっと地上に出れたらたったの一週間…何と不憫な」 という考えを抱いてしまいがちだからなのだろう。 だが、またまたちょっと待て。 何故地下での生活が「耐える」なのだ?、と俺は問いたい。 冷静になって考えた場合、セミにとっては地下の方が断然住み良いに決まっている。 一年を通して温度はさほど変わらないし、木の根に直接吸い付くことができるので餌に困ることもない。 外敵といえばせいぜい冬虫夏草ぐらいのもんで、周りに怯えながら暮らす必要も無い。 そう考えると、地下の生活を不憫と捉えるのはただ単に人間のエゴであって、セミにしては 地上に出る事のほうが嫌なのかもしれない。 「ったく、何でこんなにクソ暑い中に外に出ないといけねーんだよ。 カマキリには狙われるし、頭の悪いガキが捕まえようとするし、ちょームカツクぜ。 あぁ〜、でも外に出ないと結婚相手いねーからなー。 引き篭もってんのが一番だけど、そのまま一生童貞ってのも勘弁だよな…。 やっぱ羽化しなきゃダメかぁ、よっこらせ、と……。」 そんなことを思いながら、彼らは夜中にのそのそと地上へ這い出してくるに違いない。 …ってことは、夏を彩る彼らの鳴き声も、地上の自由を喜ぶ声なんかではなく、こういうただの愚痴かもしれない。 「あああああああああああ、 鳴くのめんどくせーーーっっ!! 誰でもいいから、さっさヤらせろやーーっっ!!」 あれ? 鳴き声が余計に暑苦しく聞こえてきたよ(邪笑 [戻る] |