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最高に惜しいゲーム




BLACK[ゲーム]    米  2005年


製作会社:エレクトロニック・アーツ


ジンキ: ★★★★☆☆☆☆☆☆

 海外では一つのカテゴリとして確立しているものの、未だ日本では今ひとつ爆発的な人気は無いゲームジャンルに FPSというものがある。いわゆる主観視点のシューティングで、主人公の 姿はほとんど見ることは出来ず、手に持っている武器だけが見えている状態でゲームを進めるものだ。

 最近では日本でも知名度が高くなってきたが、俺はかなり前に友人のぽぷよんと共に64の『007/ゴールデン・アイ』 に狂気的にハマって以来このジャンルのゲームが大好きで、しばらくこのジャンルのゲームをしないとイライラして きて「銃撃ちてぇ〜〜」と人差し指をガクガクさせながら部屋でのた打ち回るほどだ。

 ま、俺のそんなどうでもいい性癖は置いておいて、だ。
 このFPSというジャンルで(もちろんそれだけではないが)絶大なるシェアを誇っているのがエレクトロニック・ アーツ(通称“EA”)で、そのEAが世に送り出した微妙に惜しいFPSがこの『BLACK』なんである。


 EAお得意のジャンルだけあって、確かにその出来栄えはかなりのもの。
 まず画面内のオブジェクトや登場する銃器のグラフィックのリアルさ。PS2の性能でよくぞここまで練り上げた と唸らせられる。恐らくPS2内では最高の完成度ではないだろうか。リロードの際の細かい挙動や、焦点が銃器に あうために周囲の景色がボヤける演出、また周囲から立ち上る煙などはまさに自分が戦場にいるかのような錯覚を 味わわせてくれる。
 加えて敵の知能も割合高く、ただ闇雲に撃ってくるのではなく背後から回り込んできたり、こちらが撃つと素早く 物影に隠れたりするためになかなか熱い駆け引きが楽しめる。

 なのだが。
 何故敢えて惜しいと評価したかというと、このゲームはどうしても上記の良い点よりも残念な点の方が目立って しまうからなんである。

 例えば、宣伝文句として「テロリストを銃弾の嵐で一掃せよ!」と謳っており、 裏パッケージを見ると「圧倒的な火力 がもたらすかつてない爽快感!」とか「迂回や待ち伏せ、 防御など不要! 戦火に飛び込み撃ちまくる! これが BLACKスタイル!!!」とか、「画面内のものは全て破壊可能!」 だとかいろいろと破壊衝動を煽るような文句が これ見よがしに叫ばれている。

 が、敢えて言おう、これは全部ウソだ。
 まず画面内のほとんどのものは破壊できない。建物の壁ならまだ分かるが、木で作られているただの柵や錆びて ボロボロの廃車にRPGをぶち込んでもびくともしないとは如何なものか。そのくせ、明らかに“破壊できる壁” というものが決められており、見た目は強固なコンクリートであるにもかかわらずピストルで破壊できたりする。 この仕様は恐らく普通のFPSなら大して気にもならないんだろうが、自ら“破壊系FPS”を名乗っているゲームに してはちょっと酷いと思う。

 また、圧倒的な火力と豪語しているにも関わらず、所持出来る銃器の種類 はわずか二種類。それ以外の銃器を 持つためには、すでに持っているものと交換しなくてはならない。これはリアルさを追求しているのかもしれないが、 戦場の至る所に豊富な種類の火器が転がっているのに、たった二種類ってのは心もとないにも程がある。圧倒的な 火力など全く所持している気になれない。しかも、強固な塹壕を突破するのに必要な火器(RPGなど)を どうしても所持し続けなければならないステージもあるため、そのステージでは基本的に武器は一つしか持てない。 そのため、銃弾の嵐で一掃なんて爽快感はほぼ無く、限られた銃器で如何に上手く切り抜けるかが問われるゲーム にしかなっていない。

 しかしまだこれらの欠点はまだいい。このゲーム最大の欠点は(難易度が高い洋ゲーによく見られるのだが) “異常なまでの敵の硬さ”にある!
 「迂回や待ち伏せ、防御など不要! 戦火に飛び込み撃ちまくる! これがBLACKスタイル!!!」と言ったが、この ゲーム、そんなことをすれば3秒で死ねるステキ仕様なのだ! むしろこの『BLACK』に最も必要なスタイルは、 迂回待ち伏せ防御、 そして長時間に渡るそれら全てに耐えうる強固な忍耐力である。
 というのも、あまりにも敵が硬すぎるために飛び出して乱射しても相手が全く死なないのだ。サブマシンガン であれば、胴体でも10発以上当てないと倒れない。ちなみにこれ、雑魚全員に当てはまるという恐ろしい話。 しかも打たれている間はほぼノーリアクション、胴体をボコボコ撃たれてるのに平気で反撃してきたりする。 化け物かよ! さらに防弾チョッキを装備しているヤツになるともう悪夢。何故か脳天に一発ぶち込んでも死なない。 お前の防弾チョッキは頭も守ってんのか?
 それに加えて、今度は自分の防御力がまた半端なく低い。撃たれながらもゾンビのごとく接近してショットガンを 乱射してくる敵がうようよしているにも関わらず、そのショットガン一発で体力が半分飛んでいく。『ガングレイヴ』 のように、ある程度撃たれても一定時間で回復するシールドのようなものが有ればまだ許せるが、そんな優しさも 感じられない。

 つまり結論として言えるのは、この『BLACK』というゲームからは少なくとも 爽快感だけは微塵も感じられないという ことだw


 良い面が多数見られるにも関わらず、“破壊系FPS”を自ら豪語してしまったがゆえにどうしても欠点の方が 目立ってしまうという非常に残念なFPS『BLACK』。最初から“忍耐系FPS” と謳っておけば、まだ評価は高かったの かも?
 まぁそんな宣伝文句なら、俺は買わなかったけどw

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