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超弩級広域殲滅用M.A.I.D. 【クラーケン・ザ・グレイトフルデッド】



「 あ………ふぃ…………………あ…………ああ………………うぅぇ?……………?? 」

 戦闘スペック : 攻撃力SSS / 防御力SSS / 機動力EEE / 持久力SSS / 頭脳EEE / 技量EEE
 総合戦闘力 : 規格外のため不明


 帝国が生み出した新兵器M.A.I.D.(以下メイド)は、実際の戦場のみならず他のさまざまな面においてもその 影響を与えた。その筆頭として常に挙げられるのが戦場の土台ともなりうる軍需産業である。
 ずば抜けた戦闘能力と柔軟性を兼ね備えたメイドが戦場の主戦力となった今、戦車や戦闘機、戦艦などは戦場に おいてもはや過去の産物であり、誰も見向きもしない存在となってしまったため、それらを製造し販売することで 生業を立てていた軍需産業は壊滅的な打撃を被ったのだ。かつて栄華を誇った企業のほとんどは、現在は唯一メイド が運用しにくい大陸間弾道ミサイルなどの研究によって細々と耐え忍んでいるのが実情である。

 そしてその問題は、メイドの運用が本格的になる以前に帝国に対して圧倒的兵器提供シェアを誇っていた企業 『BAD COMPANY』も免れてはいなかった。
 最大の顧客である帝国が離れ、さらに数多の戦場においてBC製の兵器が帝国製のメイドによって打ち破られて いくに連れて他の国家も次々と離れていく。しかもそのほとんどの国家は独自に新たなメイドの製造を研究して いるため、もはや現行の兵器を製造し続けている限り、彼らは決してBCに顧客として帰ってくることは無い。 事態は悪化していく一方であり、何かしらの解決策が早急に必要とされた。
 そしてついにBCは最後の手段として、自身の技術力を見せ付けるべくオリジナルのメイドを研究・製造する 計画に着手するのである。

 通常兵器を製造していた頃から「強大な力は他の全ての能力を凌駕する」という独自の大艦巨砲主義を貫いて いたBCは、メイドにおいてもその哲学を流用し、文字通り“最大の”メイドの設計計画が立てられた。
 当初は体高20mを越すメイドの設計図が準備されていたが、研究を進めていくにつれて現在運用されている メイドと同じ体型では脚部において著しい負荷がかかることが判明し、体高を含めた全体のサイズそのものを 縮めるか脚部を切断するかという苦しい決断を迫られるに至る。協議の結果、搭載兵器の最大出力を重視する ためには大容量にして凄まじい体積を誇るジェネレータを搭載しなければならないこと、またそれら兵器の ほとんどが上半身に集中していることを鑑みて、BCのメイド研究チームは脚部切断を選択した。そのとき 設計主任がBC上層部に言い放った「脚なんて飾りです! 帝国にはそれが分からんのです!」という言葉は あまりにも有名。有名すぎて、どっかのアニメにパクられたという噂もある。
 それからもN○Kがプロ○ェクト]に取り上げようと訪れるほどの度重なる挫折と失敗の末に、ついに BCは螺子一本に至るまで完全オリジナルのメイド【クラーケン】、コードネーム【ザ・グレイトフルデッド】の 完成に漕ぎ着ける。そしてその一体のみを用いて、自身の技術力を誇示すべく企業専属の特殊部隊と共に戦場に 殴り込みをかけるのである。


 さて、その肝心の【クラーケン】であるが、“最強”を目指したコンセプトゆえに、最終的にその大きさは体高 11m、全武装装備時の重量に至っては350tという現行のメイドとは一線を画したサイズとなった。また、 切断された脚部の代わりに腕部構造を骨格から強化し、腕部を用いて戦場を闊歩するという極めて異様なスタイル をとる。

 その圧倒的な大きさから、戦場で歩き回って腕部を振り回すだけでも十分な脅威となり得るが、絶対攻撃 主義のBCがそんなもので満足するはずも無い。両肩には大出力の拡散メガ粒子砲をそれぞれ二門ずつ装備し、 さらに胸部にはジェネレータと直結したレーザー砲を左右これも二門ずつ装備。ちなみに右目にもレーザー兵器を 搭載しようとした形跡があるが、結局出力の関係から断念、夜間時のサーチライトに変更された。
 また、【クラーケン】最大の特徴とも言えるのが頭部から伸びる八本の強靭な触手。表面こそ弾力性の高い 素材で覆われているものの、内部は無数の特殊合金を組み合わせた鎖状の構造となっており、その打撃能力は 通常の戦車など一撃で叩き潰す。さらにBCは対重兵器や対メイドに加えて対生物戦をも考慮に入れ、八本の触手 の先端全てに殺人ウイルスを封じ込めた巨大な特殊カプセルを装着、さらにそのカプセルを敢えて脆弱な構造に することで容易に割れ易くした。つまり、【クラーケン】を攻撃しようとして誤ってカプセルに砲撃を当てて しまおうものなら、攻撃者を含めた周囲一体の全ての生物が死に絶えるという寸法である。
 抗体によって対応できるウイルス以外の攻撃は全て敵・味方関係なく周囲一体を巻き込む無差別攻撃であるため、 基本的に出撃の際は彼女一体のみで、事後処理を後続部隊が引き継ぐことが多い。

 まさに名前の通り、戦場に彷徨う魂全てを昇天させる恐るべき“旅人”であるが、技術のほとんどをハード面に 費やしたためにソフト面は極めて劣悪。
 作戦立案はおろか自分が次に何をすればよいのかすらも自主的に考えることが出来ず、攻撃面を除けば ほとんど全ての面において判断能力が無いただのうどの大木と言っても過言ではない。敢えて人間の精神年齢で 表すならせいぜい2〜3歳程度。敵・味方の判別も非常に微妙なところで、優しく接してくれる人たちにはなつく、 痛いこと(攻撃)をしてくる人たちには攻撃し返す、ぐらいの安易な根拠で行動しているに過ぎない。
 ちなみにBCの兵隊たちは彼女がバカであることをいいことに、彼女の胸の谷間に 入っていろいろ遊んだり幸せな時間を過ごしたりしているらしい。畜生、羨ましい。彼女も別段それを嫌がって いる様子が無い(嫌がる⇒即攻撃を意味する)ので、たぶん本人?もまぁまぁ気持ちがいいのだろう、いろんな 意味で。